このブログでは、ジョジョ第9部にあたる『The JOJO Lands(ジョジョランズ)』をこれから読もう、読もうかどうか迷ってる、少し読んだけれど「何が面白いのか、さっぱりわからない」といった方が、ジョジョランズの物語を楽しむためのコツを紹介しています。
いわゆる、初めて「ジョジョの奇妙な冒険」という漫画を知って、その第9部となる「ジョジョランズ」について
The JOJO Lands(ジョジョランズ)って何が面白いの?
第8部やそれ以外の内容を知らなくても楽しめるの?
といった先入観や思い込みをなくし、ジョジョランズを面白く、楽しく読むための工夫について説明します。
『結論』からいいます。
ジョジョの奇妙な冒険の「第9部」にあたるThe JOJO Lands(ジョジョランズ)は、ズバリ 以下の6つのコツ、ポイントを抑えておくと楽しむことができます。
- 個性的なキャラクターとスタンド能力。
- 時代背景と洋楽の要素。
- 奇想天外なストーリー展開
- カラフルなアートスタイルとデザイン。
- 友情と家族のテーマ。
- 哲学的な要素と複層的なメッセージ。
個性的なキャラクターとスタンド能力
「ジョジョの奇妙な冒険」は、現在の第9部「The JOJO Lands(ジョジョランズ)」に至るまで、様々な主人公とその敵キャラクターが登場します。
そして第1部から第9部まで、以下のような様々な時代背景を通してその舞台も異なります。
部 | テーマ | 主人公 | 時代 舞台 |
---|---|---|---|
1部 | ジョナサン・ジョースター -その青春- | ジョナサン・ジョースター | 1,890年 イギリス |
2部 | 戦闘潮流 | ジョセフ・ジョースター | 1,930年 ヨーロッパ |
3部 | 空条承太郎 -未来への遺産- | 空条承太郎 | 1,980年 エジプト |
4部 | ダイヤモンドは 砕けない | 東方仗助 | 1,900年 日本 |
5部 | 黄金の風 | ジョルノ・ジョバァーナ | 2,000年 イタリア |
6部 | ストーンオーシャン | 空条徐倫 | 2,011年 アメリカ |
7部 | スティール・ボール・ラン | ジョニィ・ジョースター | 1,890年 アメリカ大陸 |
8部 | ジョジョリオン | 東方定助 | 2,011年 日本 |
9部 | ジョジョランズ | ジョディオ・ジョースター | 不明 ハワイ島 |
第9部までの主人公を振り返るだけでも、個性的なキャラクターが溢れています。
中でも、第9部の「ジョジョランズ」の主人公 ジョディオ・ジョースターは、歴代の主人公の中で第5部の15歳のジョルノ・ジョバーナと並び最年少の青年です。
さて、ジョジョランズを楽しむためには、個性的な主人公に加え、登場するキャラクターが持つ「スタンド」と呼ばれる超常的な能力があることを知っておくといいでしょう。
ジョジョの奇妙な冒険においては、第3部より登場人物が持つ個性的な超常的能力『スタンド』を中心とした戦闘や謎解きが展開されていきます。
ちなみに、ジョジョ第9部の主人公 ジョディオ・ジョースターのスタンドは「11月の雨-ノベンバー・レイン」という名で、その名のとおり水滴を降らす雨のような攻撃を放ちます。
ジョジョランズに興味を持たれた方は、このスタンド同士の戦闘が一番の醍醐味といっても過言ではありません。
スタンドが持つ能力は、その持ち主の性格や性質に依存していて、「パワー(近距離)型」、「レンジ(遠隔)型」、「自動型」、「時間操作型」、「能力増幅型」、「予知能力型」、「治癒能力型」 と様々。
ちなみに、ジョジョランズの主人公 ジョディオ・ジョースターのスタンド「11月の雨」は“パワー型”ですが、ジョディオ自身がまだ幼い15歳の青年であるせいか、力強く相手を叩きのめすような攻撃力はありません。
このように、ジョジョランズでは、個性的なキャラクターが持つスタンド能力を知り、それぞれの能力を駆使しながら戦闘するシーンや、そこで勝敗が決まるまでの過程を楽しむことで、その面白さを実感することができるようになります。
時代背景と洋楽の要素
ジョジョの奇妙な冒険の作品は、各部でさまざまな時代を舞台にしていて、その時代ごとのファッションや文化が描かれています。
また、登場するスタンドの名前は、洋楽の有名なアーティスト名に由来したものが多いのも特徴的。
- エコーズ(エコーアンドザバニーメン) – スタンド名:エコーズ
- キラー・クイーン(クイーン) – スタンド名:キラー・クイーン
- ビートルズ(The Beatles) – スタンド名:ビートルズ(ブルーアイズ)
- ストレイ・キャット(ストレイ・キャッツ) – スタンド名:ストレイ・キャット
- ビッグ・ダディ(ビッグ・ダディ・ケイン) – スタンド名:ビッグ・ダディ
- ダービー・ザ・ギャンブラー(ダービー・オールダービー) – スタンド名:アトゥー
- ホル・ホース(Wh**am!) – スタンド名:ザ・エンプレス(コウテイ)
- クリーム(クリーム) – スタンド名:クリーム(ザ・レクイエム)
上記は洋楽のアーティスト名に由来した、ごく一部のスタンド名になります。
さて、ジョジョの奇妙な冒険は各部で、時代背景と舞台が異なります。
第1部は1,890年代のイギリスを舞台に物語は展開し、第2部の舞台は1,930年代のヨーロッパ諸国、第3部では1,980年代の日本~エジプト、第4部では1,900年代の日本、第5部は2,000年代初頭のイタリア、第6部は2,011年のアメリカ、第7部は1,890年代のアメリカ大陸、第8部は2,011年の日本となっています。
第9部のジョジョランズにおいては、その時代背景は不明ですが、舞台はハワイ島となっています。
このように、ジョジョの奇妙な冒険は、各部で舞台が異なりますが、登場する人物は舞台に関係なく、様々な人種のキャラクターが登場します。
奇想天外なストーリー展開
ここまで、ジョジョの奇妙な冒険を楽しく読むにあたり、知っておくべき知識として、個性的なキャラクターとスタンド、時代背景と舞台について解説しました。
これらの要素を知っておくと、ジョジョ第9部「ジョジョランズ」を十分楽しめることはもちろんですが、ジョジョの奇妙な冒険が長年人気である最大の理由は、その奇想天外なストーリー性にあります。
どの部も、意外性をつくストーリー展開は魅力的で、物語は後半に進むにつれ加速していきます。
二転三転する起承転結な内容が、多くのファンを獲得してきたことは間違いありません。
そもそも、ジョジョの物語は第1部から第9部まで、各部で完結はしていますが、主人公はいずれも、ジョースター家という血統を持つものであり、その因縁(宿敵)としてディオという存在があります。
ジョジョ シリーズを一言でいうならば、『ジョースター家とディオの決着なき因縁の戦い』を描いた作品といってもいいでしょう。
なので、シリーズ全体としてさまざまな部分が繋がっており、奇妙な出来事や謎解きが次々に展開され、その予測不可能な展開には驚きが多く、読者や視聴者を飽きさせません。
とはいえ、それぞれの作品は完結していますので
第9部 ジョジョランズにおいても、それまでの第1部から第8部を読んでいないと理解できない、面白くない、楽しめない、といったことは一切ありませんので、安心してください。
実際に、これまでのストーリーを全く度外視して読んだとしても、意味が分かる内容となっています。それでも本当に面白いのか、気になる方は、以下のブログからジョジョランズの全話あらすじを公開していますので、ご覧ください。
カラフルなアートスタイルとデザイン
ジョジョランズに限らず、ジョジョシリーズに登場するキャラクターは、その表情やポーズ、そして服装が独特で、作者 荒木飛呂彦先生の独創的なアートスタイルが際立っています。
▲第5部“黄金の風”で登場する個性的なキャラクター。一番左が主人公 ジョルノ・ジョバーナとその仲間たち。
この独創的なアートスタイルが、作品の雰囲気を一層魅力的にしており、日本だけでなく海外ではジョジョに登場するキャラクターに扮装するコスプレまで流行しています。
友情と家族がテーマ
ジョジョの奇妙な冒険は、第1部から第8部まで、全ての物語を通して、『友情』と『家族』をテーマに描かれています。
第1部では、主人公のジョナサン・ジョースターの家族 ジョースター家の家族愛、そして名門貴族であるジョースター一家を妬むディオとの増愛、そして波紋の師匠である「ウィル・A・ツェペリ」との師弟愛や、「エリナ・ペンドルトン」と婚約と惜別が描かれています。
第2部では、主人公ジョセフ・ジョースターとウィル・A・ツェペリの孫にあたる『シーザー・A・ツェッペリ』との友情、そしてスージーQとの恋愛、リサリサとの親子愛など様々。中でも宿敵 柱の男『ワムウ』とローマのコロシアムで白熱する戦車戦は、ジョジョの歴史に残る戦闘シーンとして心に刻まれるはずです。
第3部以降は、それまでの石仮面を題材にした吸血鬼VS波紋の物語から一変し、『スタンド』能力を中心とした物語へと移行します。
とはいえ、ジョジョの奇妙な冒険の主旨は一貫して、『友情』と『家族』をテーマで物語は進んでいきます。
第3部では、打倒 ディオ・ブランドーのために集結した主人公 空条承太郎とその仲間(モハメド・アヴドゥル、ジョセフ・ジョースター、花京院 典明、ジャン=ピエール・ポルナレフ、イギー)が団結する姿は必見です。
ここでも、仲間との絆、友情が描かれ、空条承太郎の祖父にあたるジョセフとの家族愛は、敵スタンドとの戦闘の中でより濃く表現されています。
第4部の“ダイヤモンドは砕けない”では、空条承太郎(=第3部の主人公 )の年下の甥である東方仗助(ひがしかた じょうすけ)が、親友の広瀬康一とともに、仙台の地方都市「杜王町(もりおうちょう)」を舞台に、町の平和を脅かす殺人鬼 吉良吉影(きら よしかげ)との戦いが描かれています。
第5部“黄金の風”では、イタリアを舞台に、15歳の青年 ジョルノ・ジョバーナが、マフィアの幹部 ブローノ・ブチャラティとその仲間(グイード・ミスタ、レオーネ・アバッキオ、ナランチャ・ギルガ、パンナコッタ・フーゴ、トリッシュ・ウナ)とともに、マフィアのボスから送られる刺客を倒しながら、自分の身を犠牲にしても仲間を守る絆や『友情』が描かれています。
第6部“ストーン・オーシャン”の舞台は2011年のアメリカ。
無実の罪で刑務所に収監された空条承太郎の一人娘 空条徐倫(くうじょう じょりーん)を主役に、同じ囚人である仲間達とともに、「天国へ行く方法」を実現させようとするプッチ神父の計画を阻止しようと奔走する物語です。
この第6部の見どころは、物語の終盤。諸悪のプッチ神父をようやく追い詰めたところで、仲間たちが犠牲となっていくシーンはグッとくるものがあります。
第7部“スティール・ボール・ラン”では、それまで時系列に進んでいた物語の舞台が、急に200年前の1,890年代のアメリカになり、史上初の乗馬による北米大陸横断レースで、元天才騎手である半身不随の主人公 ジョニィ・ジョースターが、ジャイロ・ツェペリと協力し、巨額の賞金を巡ってせめぎ合う裏で、大統領による恐るべき陰謀に立ち向かっていく物語となっています。
第8部“ジョジョリオン”では、第4部と同じ杜王町を舞台とした物語で、大震災によってできた謎の隆起物「壁の目」より出現した、記憶喪失の主人公 東方定助(ひがしかた じょうすけ)が東方家とともに、謎の実(ロカカカ)を求めて様々なスタンド使いと戦う物語です。
この第8部は、第4部と同じ舞台であることに加え、主人公の名前も同じではありますが、その世界は第6部でプッチ神父によって切り開かれたパラレル・ワールド(=別の世界)での物語となっていて、第4部の主人公とは全く別の人物となっています。
第9部“ジョジョランズ”では、時代背景は不明ですが、舞台はハワイ島となっています。主人公は、第5部のジョルノ・ジョバーナ(15)と同じ15歳の青年 ジョディオ・ジョースター。
主人公の年齢が同じというだけでなく、第9部 ジョジョランズは第5部の黄金の風と、共通している点が多くみられます。
- 主人公が15歳。
- 主人公とその仲間がギャング。
- 父親がディオ・ブランド―(の可能性)
このように、主人公 ジョディオ・ジョースター の特徴が、第5部のジョルノ・ジョバーナと似ていることから、
ジョジョランズは第8部のジョジョリオンと同じく、プッチ神父によって切り開かれた『第5部の別世界(=パラレル・ワールド)の物語』なのではないか、と囁かれています。
また、第9部もこれまでの部と同じく、主人公を取り巻く仲間(ドラゴナ・ジョースター、パコ・ラブランテス、ウサギ・アロハロエ)がいて、仲間とともに主人公が戦いを通して成長し、葛藤していく姿が描かれています。
哲学的な要素とメッセージ性
「ジョジョの奇妙な冒険」は、戦闘や冒険だけでなく、哲学的なテーマや独特なメッセージ性があることも魅力の1つ。
各部に登場するさまざまなキャラクターの成長や葛藤、そして人間の本質などを哲学的な要素を交えて細かく描かれているので、とても読み応えのある作品となっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
このブログでは、ジョジョ第9部『The JOJO Lands(ジョジョランズ)』をこれから読もう、読もうかどうか迷ってる、読んでみたけれど「何が面白いのか、さっぱりわからない」といった方が、ジョジョランズの物語を楽しむためのコツを紹介してきました。
本記事を読んで、気づきにくいジョジョランズの面白さに気づいて頂けると幸いです。